未来をひらく言葉 239
●「子供」 詩・竹中 郁
雨があがる。
水たまりがのこる。
子供は踏まないように
海峡を越えてゆく。
未来をひらく言葉 240
●「石」 詩・壺井 繁治
石は
億万年を
黙って
暮らしつづけた
その間に
空は
晴れたり
曇ったりした
未来をひらく言葉 241
●「雨」 詩・八木 重吉
雨は土をうるおしてゆく
雨というものの
そばにしゃがんで
雨のすることをみていたい
未来をひらく言葉 242
●母なる星地球は、それ自体が一つの巨大な生命体としての仕組みを持っており、私達人類もまた、その人智を越えた複雑、精緻な生命の仕組みの一部分として生かされている。
(「ガイア理論)のJ・ラブロック氏のことば)
未来をひらく言葉 243
●(染織の仕事は)植物の命と蚕の命と私の命が触れ合う仕事。向こうからやってくる命をどのように私が受け止めるかで色が決まるのです
(紬織りの重要無形文化財保持者に認定されている染織家の志村ふくみさんのことば・「毎日新聞」2004年5月12日付より)
未来をひらく言葉 244
●私たちは、地域にあるものを生かすだけで、石油のための戦争で多くの人の命を奪うことなく、澄んだ空気を吸い、きれいな水を飲み、大地に働きかけて育てたものを食べ、健康に暮らすという豊かさを手に入れることができる。そのために、地域にあるあらゆるものを耕して、エネルギーをつくりだそう
(自然エネルギー取材する佐藤由美さんのことば・現代農業増刊号『わが家と地域の自給エネルギー』農文協・2004年5月刊より)
未来をひらく言葉 245
●小さく思えることでも、できることを発見し、楽しくやってみましょう。食べること、歩くこと、なんでもよいのです。そのことで知恵がつきます。生きる自信ともなります。
土に親しみ、水に親しみ、そのなかから生きる知恵をとりもどせば、すばらしい自然は、生きる力を与えてくれます。楽しく、ゆったりと、隣人とはげましあい、助けあうことのなかに、しあわせをみつけたいと思うのです。
(使い捨て時代を考える会の槌田劭さんのことば『歩く速度で暮らす』太郎次郎社・1985年より)
未来をひらく言葉 246
●林の最良の肥料はオーナーの足跡である
未来をひらく言葉 247
●農業こそが、人間をつくる(ジャン・ジャック・ルソーのことば)
未来をひらく言葉 248
●「めがさめた」 詩・工藤 直子
どうしたの? 山
うす緑のようふくが ふるふる ゆれてるよ
おおい山よ! なに ふるふるしてるの?
だってね くっくっく
雪どけみずが ちょろちょろしてさ
りすは もこもこするしさ
かえるは ごそごそ のねずみ かさこそ
みんな めがさめて あちこち うろちょろ
くっくっくっ くすぐったくてなあ
ひゃ もうたまらん!
あーっはっはっはっは
山がわらって 春がきた
未来をひらく言葉 249
●「ふきのとう」 詩・みずかみかずよ
ゆきが
そこだけ
とけてるの
あったかい
いきが
かかるのね
うれしい
こえが
ひびくのね
(みずかみかずよ『こえがする』理論社より)
未来をひらく言葉 250
●「はる」 詩・谷川俊太郎
はなをこえて
しろいくもが
くもをこえて
ふかいそらが
はなをこえ
くもをこえ
そらをこえ
わたしはいつまでものぼってゆける
はるのひととき
わたしはかみさまと
しずかなはなしをした
未来をひらく言葉 251
●さまざまの こと思い出す さくらかな(松尾芭蕉)
未来をひらく言葉 252
●「さくら」 詩・まど みちお
さくらの つぼみが
ふくらんできた
と おもっているうちに
もう まんかいに なっている
きれいだなあ
きれいだなあ
と おもっているうちに
もう ちりつくしてしまう
まいねんの ことだけれど
また おもう
いちどでも いい
ほめてあげられたらなあ…と
さくらの ことばで
さくらに そのまんかいを…
(『まどみちお詩集』ハルキ文庫・1998より)
※前号では、まどさんの「どうしていつも」という詩を紹介したのですが、
姫路の米谷啓和様から「谷川俊太郎や現代詩を歌うDiva というグループが
メロディーをつけて歌っています」とうれしい情報をいただきました。
未来をひらく言葉 253
●「ほどうきょう」 詩・まど みちお
あんなに高いところを
人がわたっていく
せっかく みんなでこしらえた
きかいたちが
大いばりで あばれまわるのを
じゃましてはいけないと
できるだけ地球をとおく
よけて あるかなくてはと
あんなに高い雲の中を
よぼよぼ とぼとぼ
人がわたっていく
(『まどみちお詩集』ハルキ文庫・1998より)
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