ayabe: 2010年9月アーカイブ

廃校活用の事例として、各地から里山ねっとへ視察に来られます。予備知識を得るために、「豊里西小学校閉校記念誌」を図書館で借りてきました。明治期からの年表を眺めていますと小学校というのは、ほんとに地域と密接な存在だというのを感じます。それは河合谷村の例を見るまでもなく、日本中そうだったのだと思う。

豊里西小学校閉校記念誌より

昭和30年代の写真

昔は、現在の綾部市を構成している一村一村が一つの行政単位であり、一つの小学校を運営していたことを考えると当然かもしれません。子供も多かったのですから、各戸にとっても小学校はもっと身近だったでしょう。合併や綾部市への編入を経た昭和期でも、小学校職員がウサギ小屋や鳥小屋を作ったり、PTA(育友会)の奉仕による砂場新設やバックネットの設置などに関わっていることが豊里西小学校(旧小畑小学校)の歴史に刻まれている。

今月、毎日エデュケーションさんと「地域活性ビジネス」研修ツアーを行い、学生さんを中心とした受講生に、綾部市で3日間過ごしていただきました。当NPOの理事で、ふるさと振興組合「空山の里」を立ち上げた村上正代表、きらり上林の斉藤典加代表、お宿吉水中川誼美女将などからお話を伺いました。その中で受講生が感じた言葉に印象が残りました。

綾部の村は自給自足じゃないのかな。むしろ民給民足って形?村給村足??的確な言い回しは分からないけど、そんなニュアンスに感じる。村の理想とする形がここにはある!!(twitter/てっちゃソ)

里山ねっとで、綾部市の空家情報希望者にアンケートを過去何百人かに取っているなかで、50%の方は、自給自足(的)生活を希望されておられる。昨今の輸入依存を揺さぶられる中国との外交問題やロシアや豪州での不作、食の安全といった問題に触れると、自給自足という言葉は魅力的に映る。それは一つの側面として農村での暮らしを表していると思いますが、農村であればあるほど、てっちゃソが理想という「民給民足」「村給村足」という概念が求められるのではないか。

政府は「新しい公共」宣言を行ったが、実は新しいと言いつつ、古くから日本にあったものを取り上げている。

古くからの日本の地域や民間の中にあったが、今や失われつつある「公共」を現代にふさわしい形で再編集し、人や地域の絆を作り直すことにほかならない。(1ページ第1パラグラフ)
日本には、古くから、結・講・座など、さまざまな形で「支え合いと活気のある社会」を作るための知恵と社会技術があった。(2ページ第2パラグラフ)
日本では昔から、「稼ぎがあって半人前、つとめを果たして半人前、両方合わせて一人前。つとめはひとさま、世間様のためにひと肌脱いで役に立つこと」といった考え方があった。(2ページ第3パラグラフ)

また、自民党政権下の近年でも多くの自治体が「市民協働指針」などとして発表しているものと目指すものは近いが、「新しい公共」宣言の中には、新しいキーワードとして「社会イノベーション」という表現がある。この言葉はGoogle Trendなどで調べても、同じ意味の「ソーシャルイノベーション」で調べても表示されず(2010年9月現在)検索される頻度が少ないことが分かる。その点は「新しい」と言えるのかもしれない。同じような意味合いで使われる「社会起業」においても2008年以前はあまり検索されていない。

「新しい公共」によって「支え合いと活気のある」社会が出現すれば、ソーシャルキャピタルの高い、つまり、相互信頼が高く社会コストが低い、住民の幸せ度が高いコミュニティが形成されるであろう。さらに、つながりの中で新しい発想による社会のイノベーションが起こり、「新しい成長」が可能となるであろう。(2ページ第1パラグラフ)

先週は、大学生を中心に4日に渡って、地域ガイド実習を行った。20人以上の地域の方々に、活動の紹介や、地域のご案内をしていただき、綾部市の旧志賀郷村地域の様々な地域活動にふれる機会となった。最終日に行った参加者の発表会の模様を滋野浩毅先生にtwitterで中継していただいた(#100925shigasato)。都市の人、農村の人、老若男女、様々な取り組みに関わっている人達が触れ合う機会というのは、イノベーションの萌芽を感じる。

イノベーションは、「非常識と常識がぶつかり合った時に生まれ」(井深大)「ひとりひとりがいつでも起業家になれる構造」や「一見関係のないものを一つの全体として見る能力」(ドラッカー)が求められたり、「抱えている人材、いかに導いていくか、どれだけ目標を理解しているかが重要」(スティーブ・ジョブズ)である。

里山ねっとでは2007年より社会起業や地域活性、農村ビジネスなどをテーマにした綾部里山交流大学を開催している。これまで様々な地域、様々な活動、様々な人が集う場となってきた。イノベーションというのは、一人で机の上でいくら考えても生まれるとは限らない。近しい存在が集うよりも、新しい集いの場に、まったく新しい発見が生まれる可能性があるのだと思う。(マエダ)

2010年10月9日~11日綾部里山交流大学「大好きなまち(むら)で、仕事を創る!」絶賛参加者募集中
  • 飯尾毅さん「大好きなまちで、棚田を耕し、富士酢をつくる」
  • 小貫雅男さん「いまあらためて、菜園家族レボリューション」
  • 塩見直紀(村散歩案内)
  • 吉田太郎さん「キューバと伝統農業の観点から新しい社会のあり方、人としての生き方、暮らし方を考える」
  • JUNさん 「大阪中崎町のSalon De Amanto天人がめざすもの」
  • 迫田司さん「地デザイナージャパン(地デジ)宣言」
  • 尾崎零さん「面積縮小スタイルで保障なき時代を自立農力をもって生きる」

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