2010年1月アーカイブ

「コンクリートから人へ」という現政権のキャッチコピーに対して、コンクリートの専門家から異を唱えられたという京都新聞の凡語が面白かった。その中に興味深い記述があった。

(3段落目途中より)欧州では建設投資の3割を維持管理に充てているのに、日本は統計に表れないくらい少ないという▼造りっぱなしで、手入れをしない。古くなれば、新しく造ればいい。高度成長期に造られた橋や建物は、補修されないまま「高齢化」している。荒廃が進み、地震などで倒壊の恐れもあるという▼阪神大震災から15年。横倒しになった阪神高速道路の惨状が目に焼き付いている。耐震化は注目されるようになったが、維持管理にコストをかけるという意識は広がっているとは言えないようだ(後略 京都新聞-2010年1月15日)

情報ソースは確認できていないので、3割の妥当性や国際的な比較について分かりませんが、維持管理費のコストは公共投資や公共融資の事前調査において、持続性の観点から必須な見積項目と言えるのでないでしょうか。

たとえば、途上国や危機的状況になった国などに融資を行う世界銀行では、そのポリシーや業務マニュアルを詳細に公開しているが、事前・事後に行われる調査の要点は「効果」「公平性」「持続性」であろう。

先週行われた綾部市長選挙で当選した山崎善也氏は日本政策投資銀行ご出身で、世界銀行もに出向されたご経験もある。語弊があるので口にしたことはないが、地域振興への補助金や交付金などは、発展途上国の融資にも通じるところがあると思っている。(マエダ)

大あやべ主義と小あやべ主義


綾部市内にある里山ねっとの近辺でも、「綾部に行こう」などとよく言います。

えっ、里山ねっとだって、綾部にあるんでしょう。

実は綾部には広義と狭義とあるんですよ。

広義の綾部は綾部市全体ですが、

狭義の綾部は旧綾部町、市街地です。

一地点の地名がやがて周辺をふくめた地域の地域名になることはよくあります。

ですから里山ねっとの近辺で、綾部に行くといえば、

綾部駅や市役所のある市街地に行くということです。

つまり綾部という語感に2種類の地域的広がりがあります。

里山ねっと・あやべの定款やホームページでは、

「この法人は、綾部市の恵まれた自然環境や歴史、風土などの優れた地域資源を活用し学術、産業をも融和した新しい地域開発のあり方を研究し実践するため、舞台として里山空間がもっている「里山力」、「人財力」、「ソフト力」に支えられた都市農村交流から定住促進に向けて各種の事業を取り組むとともに次世代を担う青少年の健全育成を図り、地域の活性化に寄与することを目的とする。」(定款)

「里山ねっと・あやべは、自然に恵まれた京都府綾部市の「里山力」(豊かな自然、美しい里山的風景、ランドスケープなど)、「ソフト力」(多様な里山文化、経験や知恵、芸術文化など)、そして、個性あふれる「人財力」(夢や想い、志、精神性など)の「3つの力」を活かした活動をおこなっています。」

とあり、綾部とはどの領域を意味するのかの定義づけは明文としては特にありません。

里山ねっと・あやべの活動範囲は綾部市里山交流研修センターの立地地域周辺となっていますが、なおかつ「あやべ」を名乗っているとすれば、

それを説明するのは、理想としては里山ねっとの生み出す産業連関が、綾部全体に波及するようでありたい

ということになろうかと思います。

大あやべ主義と小あやべ主義というのは

大ドイツ主義とか大アジア主義の用語法だけからの連想で、あまり
穏健なものではありませんが、

ともかく考えたいことは守備範囲のことです。

アダム・スミスは各人がそれぞれ自分のことを考えて行動することで、

結果的に社会的な利益が実現されるというようなことを、神の見えざる手といいました。

ケインズは投資に波及効果があるということを指摘して、マルティプライヤー(乗数効果)ということをいいました。

えがおつなげての曽根原久司さんやかみえちご山里ファン倶楽部の関原剛さんに、綾部里山交流大学でご講演いただいたときも、活動が地域社会にどのような産業連関をもたらすか、具体的なイメージをもって仕事をしておられることを感じました。

大あやべ主義と小あやべ主義というのは勝手にこしらえた言葉ですが、

ここでいう小あやべ主義というのは里山ねっとが立地区域の周辺のことを考えて努力していれば自動的に、波及効果によって綾部全体の利益が実現されるだろうという考え方です。

大あやべ主義というのは里山ねっとももっと直接的に、綾部各地区全体のことに目配りして事業しなきゃという考え方です。

皆さんはどう思いますか。ご意見いただきながらやっていきたいと思います。(あさくら)

事業の価値には、精算価値と継続価値がある。たとえばたこ焼き屋にとって、たこ焼き用の鉄板の価値はたこ焼き屋を継続していく場合、たこ焼き屋を辞めて清算する時の価値よりも高いであろう。一般的に企業の会計は、継続することが前提であるが、業績の悪化などで、その前提が危うい時には財務諸表に、「継続企業の前提に疑義」の注記がなされる。継続することに疑義があるということは、掲載されている資産状況もあやしくなるのである。

あくまで会計上使われる言葉であり、突拍子もないかもしれないがヒト・モノ・カネ・情報・ナレッジといった資源において、精算価値と継続価値を見ることができるだろうか。もっとも知的財産としてカネに交換可能な情報資源もあるが、情報やナレッジといったものは、精算すれば資産同様に無価値になるものが多いであろう。さらにヒトについても存分に各員が能力を発揮し、事業の役割を担っていれば、3人寄れば文殊の知恵、3本の矢よろしく、個人個人の価値の総和以上に、事業の中のヒトの継続価値は高いだろう。組織の持つ資源を数値化することは難しいが継続価値と精算価値の差こそその事業を行う組織の強さであり、力と言えるのではないだろうか。

先日、大学と行っている地域活性化ボランティアプログラムの報告会があった。幾つかの地域の活動に学生が入って、ボランティアを通じて学びを得るというもので、受け入れ団体の一つとして約10プログラムの報告を聴いてきた。プログラム受講生は単位を取得することができるが取得した以降もボランティアとして参加されている学生も、受け入れ団体によっては少なからずあるようだ。活動の内容にもよりますが、受け入れ団体として継続して参加いただけるような、プログラムを目指せればと思う。

とは言え、大学から距離が離れていること、学業が本分であること、就職を控えていることなどあって、学生個人が継続的に参加することは難しい。これまで春になれば新しい学生を受け入れ、翌年度にはリセットして又あらたに学生を受け入れてきたが、ボランティアプログラムの受け入れを一つの事業としてとらえられないだろうか。リセットするということは清算するということであり、活動の価値をそれまでに留めるものである。学生の活動を継続的なものと前提とすることで価値を高めることはできないものか。

もちろん大学側が継続して受け入れ団体としてくれることが前提であるし、学習の場という点でどうなのかは正直わかりません。ただ学生たちが残した成果や抽出した課題や立案した解決策をリセットすることなく、翌年の学生に引き継いでいくことは、受け入れ団体としての力だと思う。(マエダ)

「3つのキーワード」

 

昨年2009年は、ぼくにとって
環境問題と出合って20年という年でした。

大学の卒論提出日は、
ちょうど昭和から平成に御代がかわったときです。

その1989年春に入社した会社が
環境問題にすでに取り組んでいて、

のんびりと学生時代を過ごしていたぼくには
環境問題というのは大変衝撃的でした。

以来、いろいろな本を読んだり、
講演を聴いたり、議論をするなかで

・できるだけ 暮らしをスモールサイズにする
・できるだけ 化石燃料に頼らない方向でいく
・できるだけ 農ある暮らしをする
・できるだけ 味噌など手づくりする
・できるだけ 身土不二的な和食で暮らす

などを心がけるようになりました。

20年かけていろいろ
生き方、暮らし方を変え、
ダウンサイジングしてきたのです。


東京でオーガニック居酒屋をしている友が

ビル・トッテンさんの本
『「年収6割でも週休4日」という生き方 』
(小学館、2009)

の存在を教えてくれました。


「年収6割でも週休4日」という生き方とは、
なかなかストレートな表現でいいです。

最近、よく「6割経済」といわれますが
そういえば、ぼくも、よく考えたら
それを目指してきたのかもしれません。

時代の変革期といわれて久しいのですが、

まだまだ続きそうですね。

 

この時代をどう生きる?

2010年のキーワードを3つあげてください。

年初にあたって、そう尋ねられたら、
ぼくなら何と答えるだろう。

 

1つ目は、やはり

地元学のキャッチフレーズの
「"ないものねだり"から"あるもの探し"へ」の

「あるもの探し」でしょうか。

さらに、
綾部里山交流大学のテーマ風にいえば、

アイデアをもって、

「あるものでないものをつくる」

とうことですね。


2つ目は

レイチェル・カーソンの「センス・オブ・ワンダー」
(自然の神秘さや不思議さに目を見張る感性)。

一輪の花や移り行く季節、
雪月花にハッとできるような感性です。

自然環境の変化に気づけるチカラです。

 

3つ目は何にしましょう。

みずから機会をつくり出し、
その機会によってみずからを変えていく

(独立・起業志向の企業文化をもち、
個性的な人財を輩出するリクルート社の社是)

という精神がやはり大事ではないかと思います。

この状況をどうしても周囲や国のせいにしがちですが、
自分たちで切り拓くチカラも大事だと思うからです。

上記のことばをキーワード化すると

「機会創造的変革」といったところでしょうか。

みなさんなら、2010年のキーワード、
どんな3つあげますか?

みんなでキーワードも出し合い、シェアできたらいいですね。

(文・塩見 直紀)